色彩コラム

黄色と単色光

今回は、ある特定の色(例えば「黄色」)について考察していきたいと思います。

皆さんは色が見える仕組みについてご存知でしょうか?
私たちの目には、視細胞と呼ばれる細胞が存在し、その中でも錐体細胞という細胞が色の識別に大きく関係していることがわかっています。

引用元)カラボ色大学著:最短合格!色彩検定2級・3級テキスト&問題集 第3版


錐体細胞は赤・緑・青に相当する3種類が存在し、これらの反応する比率によって、ある光が何色なのかを判断しているのです。
光の波長(つまり色)は本来連続的に推移するはずのものですが、これを3次元的に認識しているのが色覚ということになります。
裏を返せば、ある光が見えた時に、人はその光が単色光なのか、複色光なのかわからないということです。

例えば、580nmの単色光は黄色く見えます。しかし、赤色光と緑色光が適度に混ざった光も同じ「黄色」に見えることがあります。
これは、視細胞が特定の比率で反応し、それを脳が「黄色」として認識するからです。
つまり、黄色を見ているつもりでも、それが単波長光なのか、複色光なのか、私たち自身は区別できないのです。  

しかしこれにも良いことがありそうです。
それは私たちの生活空間は様々な波長の光であふれかえっています。太陽光もその一つですよね。
もし、単色光一つ一つに色がついていて、そのすべてを識別していたとしたら・・・。
おそらく情報過多で処理しきれないかもしれません。

以上のことを踏まえて私の好きな黄色について考えてみると、
私は黄色が好きですが、580nmの光自体に惹かれているわけではなく、脳が「黄色」と解釈した色が好きなわけです。
(もちろん580nmが表現する色も好きです。)

よくわからないことになりそうなのでこれくらいにしておきます!
面白いと思っていただけた方、沼へようこそ。