色彩コラム

鳥×色彩

ルリビタキのオスは、名の通り美しい「瑠璃色」の羽

一昨日のエッセイを少し一般化し、鳥全体の色彩について考えてみます。
鳥の体色について、ここでは①生存戦略、②求愛行動、2つの視点で考察してみます。

①生存戦略

鳥の色は、捕食者から身を守るためのカモフラージュになることがあります。
例えば、スズメやウズラは地面に溶け込む茶色系の羽を持ち、天敵である猛禽類から見つかりにくいのだと考えられます。
あるいは、北極圏に生息するシロフクロウは、雪の中で目立たない白色の羽を持っています。  

②求愛行動

オスの鳥は派手な色をしていることが多く、これは繁殖期にメスへアピールするためのものであると考えられます。
クジャクの羽やジョウビダキの鮮やかなオレンジなど、オスだけ鮮やかな羽毛を持っていることもあります。

キセキレイに限らず鳥の色彩は、美しさだけでなく、生存・繁殖にも大きくかかわる要素であることがうかがいしれます。
私たちがこれらの色彩を美しいと感じること自体も、私たち人類の生存や繁殖に関係しているのかもしれません。

動物の進化は偶然の産物です。
それでいて、こうも上手くできているというのには、いつも感心してしまいます。