色彩コラム

イエベ・ブルベ=暖色・寒色ではない

今朝、めざまし8のメインキャスターである、小室瑛莉子さんがパーソナルカラー診断についてのお話をしておりました。実際に診断されたのは、今年の1月頃のようですね。

本日は髪色のお話になり、「イエベ春」と診断されたので、「赤系」にしたとのこと。
「暖色が似合う」のようなアドバイスをいただいたとのこと。また別のコメンテーターの方は「緑色がよく似合う」と言われたので、意識して緑色を着るようにしてるとのこと。

…おお、違和感…。

雰囲気はわかりますが、厳密には異なります。

そもそもパーソナルカラーとは?

一般的に皆さんが認識しているパーソナルカラーは「自分に似合う色」、その似合う色を見つけるために診断を行う訳ですが、そもそもパーソナルカラーアナリストは何を基準に診断していると思いますか?

色彩調和論には、大きく分けて4つの原理がありまして、その中の1つである「統一性の美」をベースに展開している仕組みになります。

簡単に言えば「似ている色同士は、美しい」ということです。

パーソナルカラー診断というのは、お顔の大部分を占めるお肌の色を基準に、その色と似ている色を探すための診断ということになります。

じゃあイエベ・ブルベって?

では俗にいう「イエベ・ブルベ」ってなあに、ということなのですが。

アメリカのデザイナーであるロバート・ドアさんが、1928年に発表した《自然界の色は「イエローベース」と「ブルーベース」の2つのグループに分けられる》という色彩調和論が基礎になっています。

例えば、同じ「赤」という色でも、「温かい赤」と「冷たい赤」があるということです。これは、あくまでも人間が見て温かく感じる・冷たく感じるということで、色彩心理学の範囲に入ります。

実際に色で見ていただくほうが分かりやすいので、画像を作りました。

どちらも大きな色の範囲(これを色相と言います)は赤ですが、微妙に違いますよね。
左は朱色っぽく見え、右はちょっぴり紫っぽさを感じます。

朱色はThe赤と比較すると少し黄みが強い色で、温かく感じる色です。逆に少し紫がかった赤は、色としては冷たく感じます。これが、イエローベース・ブルーベース(カラボ色大学ではイエローアンダートーン・ブルーアンダートーン)と呼ばれている色の考え方です。

温かいか、冷たいか…どうやって決まるの?

先ほどの色をみて、こんな疑問が浮かんだ方もおられるかもしれません。
色を見て「温かい、冷たい」と心理的に感じるソレを数値にするために使われるのが、ドイツの心理学者フェヒナーさんが考案した「心理学的尺度構成法」です!

簡単に今回のお題に沿って表現すると、例えば100人に様々な赤を見せて「温かい」「冷たい」どちらを感じるかの記録を取るようなイメージです。

たくさんのデータを取ることで「この色を見ると人はこう感じる」という統計が取れ、それが色の心理的な物差しになるわけです!

(実際は様々な尺度があるためもっと複雑に導き出すものではありますが、身近な色彩に着目しようという趣旨のコラムでございますので、割愛いたします。)

ですので

イエベ=暖色
ブルベ=寒色

と、いう分け方ではないのです。

ほぼすべての人が似合う色は「ピンク」

と、ここまでパーソナルカラーの根幹の理論となる「統一性の美」、またよく耳にしたり目にしたりする「イエベ」「ブルベ」の成り立ちをお伝えしてきました。

お肌の色に似ている色が一番似合う色、ということになりますので、赤や青、黄色や緑、オレンジなどさまざまな色がありますが、そのなかでも1番似合うのは「ピンク」です。

なぜなら「お肌の色に一番近い=統一性の美」だからです。

様々な色の中から「緑が一番似合う!」と言われた方は地球人ではなくナメック星出身の方か、シュレック一族の方かと思いますので、診断をしてくださったアナリストさんにご確認ください。

色彩は奥が深い

現在、「春・夏・秋・冬」4シーズン、さらに細分化した12タイプ、16タイプなど様々なパーソナルカラーの流派が存在します。が、それぞれ特徴があり、結果が細分化されているだけで詳しい診断が出来ておらず、診断結果にしっくりこない方も多いのが現状です。

カラボ色大学では、色の表現として不変である「色の三属性」によってお肌の位置を特定し、それを元にお肌の特徴や様々な色との相性を診断し、日常生活に活かしていただけるような診断方法を提唱しています。
気になる方はカラボ色大学で開催しておりますパーソナルカラーアナリストプロ養成講座もチェックください!

またパーソナルカラー業界の課題や、思うことは別のコラムで書きたいと思います!

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。